みんなのジャック・ロジエ《日替わり上映》

2025年11月15日~11月21日

ジャック・ロジエ監督 特集上映

パリの街並み、地中海の陽光、きらめく砂浜、ロマンスに夢中の少女とうつろいゆく青春を謳歌しようとする男たち……。輝く季節を軽やかに大胆に切り取るジャック・ロジエの才能に、ヌーヴェル・ヴァーグの象徴であるゴダールは絶賛し、トリュフォーは嫉妬したという逸話をもつ。今回の特集上映では、ジャック・ロジエ監督の長篇劇映画全5作品のうちデジタル・レストアされた4作品と短篇2作品を上映。長篇『トルテュ島の遭難者たち』と『フィフィ・マルタンガル』は劇場初公開。


〜長編〜

■『アデュー・フィリピーヌ』(2Kレストア)
1962年/フランス=イタリア合作/モノクロ/110分
© 1961 Jacques Rozier

1960年パリ。アルジェリア戦争のさなか兵役を数か月後に控えた青年ミシェルは、勤務先のテレビ局でリリアーヌとジュリエットという仲の良い二人の娘と出会う。二人は次第にミシェルに惹かれていくが、彼はどちらとも上手くやろうとする。そんな中、仕事でミスをしたミシェルは、兵役前にヴァカンスを楽しもうとテレビ局を辞め、二人に告げぬままコルシカ島へ旅立つ。


■『トルテュ島の遭難者たち』(4Kレストア)※劇場初公開
1976年/フランス/146分
© 1974 Jacques Rozier

パリの旅行代理店に勤めるボナヴァンチュールと同僚の「太っちょノノ」は、ロビンソン・クルーソーの冒険を追体験させる無人島ヴァカンスツアーを企画する。彼らはツアー候補地のカリブ海へ調査に向かうが、空港で「太っちょノノ」が逃げ出し、代わりに弟の「プティ・ノノ」がボナヴァンチュールに同行することになる。現地に着いた二人が無人島を探していると、パリから最初のツアー客がやってくるが、誰もボナヴァンチュールの言うことを聞こうとしない。


■『メーヌ・オセアン』4Kレストア
1985年/フランス/136分
© 1986 Jacques Rozier
1986年ジャン・ヴィゴ賞

ブラジル人ダンサーのデジャニラは、パリ発の特別列車「メーヌ・オセアン号」に飛び乗るが、検札係に罰金を命じられてしまう。フランス語が分からない彼女だが、たまたま通りがかった弁護士の女性に助けられる。翌日、弁護士に誘われ漁師の裁判に立ち会ったデジャニラは、その漁師が住む大西洋の島で週末を過ごすことにするが、そこに検札係もやって来て……。


■『メーヌ・オセアン』(4Kレストア)
1985年/フランス/136分/
© 1986 Jacques Rozier
1986年ジャン・ヴィゴ賞

ブラジル人ダンサーのデジャニラは、パリ発の特別列車「メーヌ・オセアン号」に飛び乗るが、検札係に罰金を命じられてしまう。フランス語が分からない彼女だが、たまたま通りがかった弁護士の女性に助けられる。翌日、弁護士に誘われ漁師の裁判に立ち会ったデジャニラは、その漁師が住む大西洋の島で週末を過ごすことにするが、そこに検札係もやって来て……。


■『フィフィ・マルタンガル』(デジタル・レストア)※劇場初公開
2001年/フランス/120分
© 1997 Jacques Rozier

ブールヴァール劇『イースターエッグ』はパリで大ヒット中。この低俗な自作が権威あるモリエール賞を受賞したと知った劇作家は、これを何かの陰謀だと思い込み、上演中の戯曲を改変して「敵」に報復しよう企む。


〜短編〜

■『ブルー・ジーンズ』2Kレストア版
1958年/フランス/モノクロ /24分
© 1957 Jacques Rozier
ジャン゠リュック・ゴダールに絶賛されたロジエ監督の短篇第二作

カンヌの海辺でヴェスパに乗り、ナンパに明け暮れる二人組。その刹那的な彼らの青春が、浜辺の緩やかな移動撮影で見事に捉えられている。


■『パパラッツィ』(2Kレストア)
1963年/フランス/22分
© 1963 Jacques Rozier

■『バルドー/ゴダール』(2Kレストア)
1963年/フランス/10分
© 1963 Jacques Rozier

1963年5月、ゴダール『軽蔑』の後半部分を占めるカプリ島での撮影現場を訪れたロジエは、そこで撮影したフッテージをもとに二本の短篇を製作する。
『パパラッツィ』では、ブリジット・バルドーを一目見ようと集まる群衆や、スクープ写真を狙うパパラッツィに焦点をあて、『軽蔑』を外側から捉えようとする。
『バルドー/ゴダール』では、作品の内側からゴダールの撮影美学に迫りながら、ロジエの作家性をも浮かび上がらせている。


会員特典:Wポイント

上映期間 2025年11月15日~11月21日
監督 ジャック・ロジエ
制作国 フランス/フランス=イタリア
制作年 1958〜2001
公式サイト https://www.jacquesrozier-films.com/