野田真吉特集 ゆきははなである〈日替わり上映〉

2025年12月27日~12月28日

ドキュメンタリー作家として20世紀の日本人を見つめ、独自の理念と手法で解き明かそうとした野田真吉の映像世界の幕が開く。

詩作に励んだ野田真吉は、後に東宝文化映画部を経てフリーとなり、社会運動から実験映画まで縦横無尽に制作。晩年は民俗文化に取り組み、日本人の意識構造の深部を映し出そうとした。本特集は、古来の神事や暮らしを通し、現代でも人々を惹きつける不変のリズムを探求する。


Aプログラム [1時間9分]

『農村住宅改善』(戦後公開版)
[1941/日本/20分/モノクロ]
「考現学」の祖、建築学者の今和次郎らによる東北農村住宅の実態調査を記録した貴重なドキュメンタリー。

『谷間の少女』
[1949/日本/49分/モノクロ]
出演:岡村道子、浜村純
山村の厳しい生活の中で、逞しく生きる子供たちのリアルな姿が輝きを放つ、児童映画の名作。


Bプログラム [1時間15分]

『機関車小僧』
[1950/日本/45分/モノクロ]
田園を走る蒸気機関車と機関士に憧れる少年。厳しい生活の中でも子供たちの未来に希望を込めた、野田的ネオレアリズモ作品。

『忘れられた土地 生活の記録シリーズ II』
[1958/日本/30分/モノクロ]
高度経済成長の陰で取り残された人々の過酷な暮らし。観察者であろうとする野田の心の震えが滲み出た伝説の記録映画。


Cプログラム [1時間31分]

『冬の夜の神々の宴 遠山の霜月祭』
[1970/日本/37分/モノクロ]
信州遠山郷の神事「霜月まつり」。全国の神々を召喚し、怨霊を慰め一年の安寧を願う一夜の祭りを幻想的に映し出した、異色の記録映画。

『生者と死者のかよい路 新野の盆おどり 神送りの行事』
[1991/日本/36分/カラー]
3日間、町全体で夜通し踊り続ける「新野の盆踊り」。山間の集落で長い歴史をもつ伝統行事の心意をとらえたドキュメンタリー。

『異形異類の⾯掛⾏列』
[1988/日本/18分/カラー]
異形異類の面掛10人衆が軽快なお囃子に合わせて練り歩く鎌倉の御霊神社の祭礼「面掛行列」を、実験的な構成で見せる記録映画。


Dプログラム [2時間9分]

『ゆきははなである 新野の雪まつり』
[1980/日本/2時間9分/カラー]
仮面仮装の神々がくり返し現れる「新野の雪まつり」。中世からつづく人々の心意を、祭りの中に見出そうとした記録。


上映期間 2025年12月27日~12月28日
監督 野⽥真吉
制作国 日本
制作年 1941〜1991
公式サイト https://gnome15.com/noda-shinkichi/