レッツ・ゲット・ロスト<4Kレストア>

1988年、58歳でこの世を去った伝説のジャズマン、チェット・ベイカー。
その最晩年の姿に密着し、アカデミー賞ノミネートも果たした大傑作ドキュメンタリーが、待望の＜4Kレストア＞版としてスクリーンに蘇る。

監督は、カルバン・クラインなどの広告で知られる世界的写真家、ブルース・ウェーバー。彼は1950年代からチェットに心酔し、憧れのスターの肖像をロマンティックな少年の視点で捉える。

全編を彩る白黒の美しい映像。そこには、「ジャズ界の貴公子」と謳われた若き日の輝きと、薬物依存に苦しんだ破壊的な人生、その痛切なコントラストが描かれる。ウェーバーの研ぎ澄まされた美学的な演出と、元妻や家族、仲間たちの生々しい証言が交錯。チェット・ベイカーという天才の光と影を、深く、そして優しく掘り下げる。

彼の甘く切ない歌声と、哀愁を帯びたトランペットの音色に、誰もが心を揺さぶられるに違いない。ウェーバーからチェットへ贈る時代を超えたラブレター。それは、美しくも悲しい人生の賛歌。約37年ぶりとなる劇場公開で、4Kの鮮明さで蘇った「天使の歌声」を浴びるまたとない機会。

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