満天の星

なぜ、対馬丸は狙われ、そして見捨てられたのか――。
これは、語られなかった戦争の真実を受け継ぐ旅。

1944年8月22日、一夜にして784人の子どもたちが命を落とした「対馬丸事件」。戦時下最大の学童死亡事件は、政府による箝口令のもと長らく秘匿され、その全貌は闇に包まれてきた。
対馬丸事件の生存者・中島髙男は、沈没後の海上で筏を繋ぎ、7人の命を救った。奇跡的に生還したものの、その後も厳しい情報統制の中で苦しみ続けた。
孫である俳優・寿大聡は、祖父の死をきっかけにその足跡を辿り、事件の真相に迫る旅に出る。戦争の理不尽さ、そして人々の記憶に埋もれた真実を追う中、寿大の旅は戦地ウクライナにまで及んでいく――。

本作は、寿大聡と初監督となる葦澤恒が共同で制作。今なお消えることのない戦争の爪痕と、語り継がれるべき記憶を見つめ直すドキュメンタリー。
戦後80年を迎える今、戦争を知らない世代がその記憶をどう受け継ぎ、未来へ伝えていくのかを静かに、強く問いかける。

ⓒ2024 映画「満天の星」製作委員会