壁の外側と内側
2025年9月13日~9月19日
「なぜこの戦争が続くのか。」
10.7 後のパレスチナ・イスラエルを
この目で確かめたいと思った――
2023年10月7日、イスラエルに「壁(分離壁)」で封鎖されたパレスチナ・ガザ地区からイスラム組織・ハマスが越境攻撃を行い、それに対してイスラエル軍による「壁の向こう」へのすさまじい報復攻撃。死者は 5 万人を超え、そのうち 1 万 8 千人以上が子どもという惨状で、停戦がいまだ見えない中、その数は増え続けている。
外国人ジャーナリストがガザに入ることが困難な中、翌年 7 月、同じく「壁」で分離されたパレスチナ・ヨルダン川西岸地区に、ボーン・上田記念国際記者賞受賞歴もある中東ジャーナリスト・川上泰徳が取材に入った。パレスチナ側のベツレヘムからヘブロンへ、そして今年 3 月に米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』でも舞台となったマサーフェル・ヤッタにも入り、イスラエル軍による攻撃・破壊やユダヤ人入植者の暴力の激化を目の当たりにする。一方、イスラエル側では国民の多くが「壁」の外側の惨状に目を向けない中、兵役を拒否する三人の若者がいた。
日本人が見た、“壁”の外と内の現状は――。
【監督メッセージ】
ハマスによる越境攻撃と、その後のイスラエルによるガザの破壊と大量殺戮。30年、ジャーナリストとして中東を見てきた私にとっても異常な事態でした。何が起こっているのかを知るために、パレスチナとイスラエルを一か月かけて歩きました。ガザは封鎖され、入ることは出来ませんでしたが、イスラエルが建設している「壁(分離壁)の外側」のヨルダン川西岸のパレスチナでは、人々の生活を破壊し、排除するイスラエル軍の占領の実態を見て、人々の訴えを聞きました。一方で、イスラエル国民は自分たちの軍隊による壁の向こうでの加害を知らない、という「壁の内側」の実態も。メモ帳を携帯カメラに持ち替えて、取材のすべて記録し、私が出会った光景、出会った人々、予想もしない展開、そして見えてきたことを、皆さんにも体験していただき、共に考えたいと思って初めての映画をつくりました。
©Kawakami Yasunori
| 上映期間 | 2025年9月13日~9月19日 |
|---|---|
| 上映時間 | 1時間44分 |
| 監督 | ・撮影・編集・製作:川上 泰徳 |
| 制作国 | 日本 |
| 制作年 | 2025 |
| 公式サイト | https://out-in-thewall.com |