KIDS キッズ

世界に突きつける“キッズ”のリアル

写真集『タルサ』で知られる写真家ラリー・クラークが1995年に発表した監督デビュー作。脚本は当時19歳だったハーモニー・コリン。90年代ニューヨークのティーンエイジャーが過ごす、SEX、ドラッグ、HIVが渦巻く生々しい24時間を、ドキュメンタリータッチで描き出す。

ニューヨーク、夏のある暑い日の午後。スケーターのテリーは、いつものようにバージンの女の子をモノにしたことを親友キャスパーに自慢し、仲間と街をブラつく。彼らはビールを飲み、ドラッグを決め、SEXの話で盛り上がる。

その頃、テリーと一度だけ関係を持ったジェニーは、経験豊富な友人ルビーと共にHIV検査の結果を聞きに行く。結果はルビーがネガティブ(陰性)だったのに対し、ジェニーはポジティブ(陽性)。テリーとのたった一度のSEXのために、突然の死の宣告を受けてしまう。

ジェニーは、自分を捨てたテリーにこの事実を伝えるため、彼を探し回る。しかしテリーは、自分がHIVキャリアだとは知らずに、新たなバージンの子を誘い出し、仲間たちと夜のプールではしゃぎ続けるのだった。

90年代のティーンエイジャーの現実を突きつけ、多くのクリエイターに影響を与え、今もなお熱烈なファンを増やし続ける本作。製作からちょうど30年の時を経て、スクリーンで観る者に新たな衝撃を与える。

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