ユニバーサル・ランゲージ

人は、関わりあうことをやめられない

もしもカナダ・ウィニペグがペルシャ語とフランス語を公用語とし、イラン文化が色濃く反映された街だったら――。舞台はそんな“ありえたかもしれない”世界。暴れまわる七面鳥にメガネを奪われたオミッドを助けようと、少女ネギンとナズゴルは凍った湖に眠る大金を引き上げ、新しいメガネを買う計画を立てる。だが街の人々は皆どこかズレていて、廃墟を観光資源とする風変わりなツアーガイドや、仕事に疲れ果て自暴自棄になった青年まで巻き込んで事態は思わぬ方向へ。

監督は『The 20th Century』で国際的に注目を集めたマシュー・ランキン。本作でもユーモアと遊び心を武器に、アッバス・キアロスタミやジャック・タチの影響を受けた詩的な映像世界を展開する。言葉や文化の境界が曖昧になり混沌とする街で、それでも他者と関わろうとする人々の姿は、滑稽さを帯びながらも心を打つ。第77回カンヌ国際映画祭で評価され、監督週間部門としては史上初の観客賞を受賞。さらにアカデミー賞国際長編映画賞カナダ代表に選ばれた注目作。

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